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【使用者向け】「パワーハラスメントに伴う会社のリスクと対策」を追加しました

【質問】

当社社内相談窓口に対して、匿名でパワハラ被害を訴える内容の通報が寄せられました。

通報内容が事実であればパワハラに該当するとは思うのですが、もし被害者から訴えられた場合、会社としてどのようなリスクがあるのでしょうか。

また、今後も同じような事態が生じないようにするためには、どのような対策をとればいいのでしょうか。

【回答】

パワーハラスメント(以下「パワハラ」)が生じた場合、会社は不法行為責任及び債務不履行責任を負い、被害者に対して損害賠償責任を負う可能性があるとともに、取引先等からの信用を失うといったレピュテーションリスクも負う可能性があります。

再発防止策としては、従業員を対象にしたパワハラについての講演や研修会の実施、パワハラについての(外部)相談窓口を設置することなどが考えられます。

【解説】

1. パワーハラスメントと会社の責任・リスク

パワハラが行われた場合、加害者個人が被害者に対して責任を負うだけでなく、使用者である会社も以下のような責任・リスクを負う場合があります。

(1)   不法行為責任

会社は、使用する労働者が職務遂行中に第三者に損害を与えた場合、使用者責任として損害賠償責任を負います(民法715条)。

(2)   債務不履行責任

使用者である会社は、労働者の安全に配慮する義務を負っている(労働契約法5条)ため、パワハラが生じた場合、職場環境整備義務及び職場環境調整義務に違反したものとして、債務不履行責任(民法415条)を問われる場合があり得ます。

なお、従業員が派遣労働者であった場合、上記職場環境の維持は、派遣会社(派遣元)だけでなく、派遣先会社の責任でもありますから、派遣先でパワハラが生じた場合、派遣先も責任を負う可能性があることに注意が必要です。

(3)   レピュテーションリスク

その他、パワハラが生じ、訴訟等に発展した場合、取引先等から「コンプライアンス(法令遵守)のできていない未熟な会社」と見られ、最悪の場合取引が打ち切られたり、職場環境が劣悪であるとの評判が立ち、リクルート活動等においても不利になるといったリスクも生じ得ます。

2. 再発防止策

このように、いったんパワハラが生じた場合、会社に与えるダメージは決して小さなものとはいえません。事後的な対処療法よりも、そもそもパワハラを生じさせない予防策を講じることが大切です。

パワハラ対策として一般に行われ、かつ効果的であるとされている対策としては、たとえば以下のものが挙げられます。

①    管理職を対象にしたパワハラについての講演や研修会の実施

②    一般社員を対象にしたパワハラについての講演や研修会の実施

③    パワハラについての相談窓口の設置

④    就業規則等の社内規程への盛り込み

⑤    アンケート等による社内の実態調査

これらの対策は複数組み合わせることにより、単独の対策以上に効果的なパワハラ対策となります。

もっとも、「パワハラ対応①–パワーハラスメントの判断基準」で解説しましたとおり、具体的な行為がパワハラにあたるかどうかの判断自体、決して簡単ではなく、効果的な研修や社内規程の整備には専門的な知識・経験が必要です。

そのため、より効果的なパワハラ防止策を構築するために、従業員に対する研修や社内規程の整備、相談窓口等については外部専門家である弁護士に委託するケースも少なくありません。

当事務所ではパワハラ対策にも力を入れていますので、お気軽にご相談ください。

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【使用者向け】「パワーハラスメントの判断基準」を追加しました

【質問】

当社の従業員から、社内相談窓口に対して匿名で「営業成績が振るわず、上司から同僚の前で叱られたり、メーリングリスト上で名指しで『やる気がないなら辞めろ』と注意されたりしているが、これはパワハラにあたるのではないか。」との苦情が寄せられました。

苦情が寄せられた以上、何もしないわけにはいかないと思うのですが、そもそもこのような上司からの注意がパワハラにあたるのでしょうか。

 

【回答】

いわゆるパワハラに該当するかどうかはケースバイケースですが、業務改善等を目的とした注意、叱責は、それ自体が一般に違法とはいえません。

もっとも、業務上の必要性に基づかない場合や、社会的に不当な動機・目的に基づく場合、従業員に対して著しい不利益を与える場合には違法なパワハラに該当し、ご質問のケースも行為態様等によってはパワハラに該当する可能性があります。

 

【解説】

1. パワーハラスメントとは

パワーハラスメント(以下「パワハラ」)とは、上司がその職務上の地位、権限を濫用して、部下の人格を損なう行為をいい、職場内の人格権侵害の一類型として捉えられています。

もっとも、ミスを犯した部下に注意や指導をすること自体は、職務の円滑な遂行上、一定程度許容されると解されていますので、これら注意等が真に業務改善等を目的とする場合には、そのような行為を直ちに違法とすることはできません。

 

2. パワハラの判断基準

前述のとおり、パワハラは人格権侵害の一類型として整理されていますので、どのような行為が違法なパワハラと評価されるかは、人格権侵害における違法性の判断基準と同様に考えることができます。具体的には、以下の①〜③のいずれかに該当する場合には、違法になると考えられます。

①    問題となっている業務命令等が、業務上の必要性に基づいていないもの

②    外形上、業務上の必要性があるように見える場合であっても、当該命令等が不当労働行為目的や退職強要目的など、社会的に見て不当な動機・目的に基づいてなされていること

③      当該命令等が労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を与えること

たとえば、いわゆる「仕事外し」であれば、上記判断基準に照らして、①仕事をさせないことが業務上の必要性に基づくものとはいえず、また、②仕事をさせないことは、通常、無言のうちに退職を強要する目的であるといえますし、③仕事を与えられないこと自体が著しい精神的苦痛を与えるものといえますので、原則として違法といえます(松蔭学園事件(東京地裁平成4年6月11日労判612号、東京高裁平成5年11月12日判タ849号)参照)。

 

3. ご質問のケース

ご質問の件に類似した裁判例として、上司の部下に対する電子メールでの「やる気がないならやめるべき」といった言葉を含む叱咤督励について、許容限度を超えて名誉感情を侵害したとして不法行為責任を肯定した裁判例があります(A保険会社上司事件(東京高裁平成17年4月20日労判914号))。

一方で、上司による厳しい指導・指摘は、上司がなすべき業務上の指示の範囲にとどまるものであるとして、安全配慮義務違反及び不法行為責任を否定した裁判例もあります(医療法人財団健和会事件(東京地裁平成21年10月15日労判999号))。

このように、一概に上司による厳しい指導がパワハラに該当するとは言い切れず、パワハラに該当するかの判断は専門家による個別具体的な事実認定が必要となるため、判断に迷う場合には弁護士への相談をお勧めします。

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【弁護士ドットコムLIFE】男女間の法律問題についてコメント

当事務所では、法律を身近に理解していただくために、メディアからの取材等にも対応しております。

今回,新たに以下の取材についてコメントいたしました。

【弁護士ドットコムLIFE】男女間の法律問題についてコメント

当事務所の代表弁護士 長瀬佑志が コメントした,『妻を抱きたくても、叶わない…結婚前の「セックスを求めない」誓約書を前に苦悶する夫』という記事 が弁護士ドットコムLIFEに掲載されました。
https://c-3.bengo4.com/li_180/

取材要望等がございましたらお気軽にご連絡ください。

「残業代請求が認められるか」を追加しました

労働問題の解決手続に関し,以下の記事を追加しました。

残業代請求が認められるか

 労働問題では,残業代請求が問題となる場面は少なくありません。

残業代請求は,労使いずれにとっても,正しく支払われているかどうかは経営判断や生活設計にも関わる重要な問題です。

残業について事前申請制にしたり,許可制にしたりすることの有効性について検討いたしました。

労働問題でお悩みの方にとって,ご参考になれば幸いです。

お問い合わせはこちら

 

営業時間についてのお知らせ

当事務所では,ご予約をいただいた場合には午後5時以降のご相談のほか,休日のご相談も受け付けております。

詳細についてはお電話いただければ幸いです。

【相続人の調査ー相続開始後の認知】を追加しました

【相続人の調査−相続開始後の認知を追加しました。

相続人の調査を行うことは,具体的な遺産分割協議等を行う前提であり,必ず確認しなければならない事項です。

相続手続きでお悩みの方にとって参考となれば幸いです。

「業務上のミスに対する損害賠償請求について」を追加しました

労働問題の解決手続に関し,以下の記事を追加しました。

業務上のミスに対する損害賠償請求について

 労働問題では,労働者から会社に対する請求だけではなく,会社から労働者に対する請求が問題となる場面も少なくありません。

労働者がミスをしたことで会社に損害を生じさせた場合,どのような権利関係の問題が生じるかを整理致しました。

労働問題でお悩みの方にとって,ご参考になれば幸いです。

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【離婚協議書の作成が必要な理由】を追加しました

離婚する場合,もっとも簡易かつ迅速な方法が「協議離婚」になります。

協議離婚は,離婚届を提出するだけで成立します。

もっとも,離婚届を提出することで決まることは,離婚することと,親権のみです。

養育費や財産分与等,その他の条件は別途話し合う必要があります。

しかしながら,口頭での約束では,本当に守られるかどうかの不安が残ります。

そこで,実務では,協議離婚の場合,「協議離婚書」を作成することが一般的です。

協議離婚書には,法的拘束力が発生する事項を記載することが通常ですから,慎重に内容を検討する必要があります。

そこで,協議離婚書の作成にあたり注意していただきたい点を整理しました。 

離婚協議書の作成が必要な理由

協議離婚を検討している方にとって,ご参考となれば幸いです。

離婚の初回ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

*正確な法的アドバイスのため初回は直接お越し頂いてのご相談となります。

「労働問題解決手続の選択」を追加しました

労働問題の解決手続に関し,以下の記事を追加しました。

労働問題解決手続の選択

 労働問題の解決手続は,大きく分類すれば,①裁判外手続と②裁判手続に整理することができます。

さらに,①裁判外手続と②裁判手続にもそれぞれ複数の手段がありますが,いずれもメリット・デメリットがあります。

ご相談の問題について,いずれの手段が最適といえるかは,個別の事情に応じて判断する必要があります。

労働問題でお悩みの方にとって,解決手続を選択する際のご参考になれば幸いです。

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【保険代理店対象:法律・集客セミナー】つくば市にて開講(平成28年3月2日)

【日時】平成28年3月2日(水)14:00〜17:00

【場所】つくば国際会議場(小会議室404)

【講座・損保の部】交通事故の法律基礎知識,弁護士連携のポイント

【講師】弁護士法人長瀬総合法律事務所

損害保険では,弁護士費用特約が一般化し,以前は訴訟にならなかった少額の物損事故でも訴訟となる案件が増加しています。

また,人損事故でも,柔道整復の施術費や後遺障害の等級の認定など様々な点が訴訟などで争われることが増えています。

保険代理店が,保険契約者様等に寄り添って交通事故直後から訴訟を見据えた対応やサービス提供をするために必要となる法律の基礎知識や,弁護士と連携する上でのポイントなどについて講義いたします。

【講座・生保の部】相続などの法律基礎知識,弁護士連携のポイント

【講師】弁護士法人長瀬総合法律事務所

相続税改正(増税)によって生命保険を利用した節税などの相続税対策が注目されていますが,遺産分割を見据えた場合,生命保険だけでなく,遺言なども含めたトータルでの対策が重要です。

また,高齢化社会をむかえ,判断能力低下などの問題は不可避であり,後々の紛争を予防するためには,成年後見制度など様々な制度の理解が重要です。

法律関係,遺産分割協議などの手続,成年後見制度など高齢者の周辺問題についての法律の基礎知識や弁護士と連 携する上でのポイントなどについて講義いたします。 

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