弁護士と他士業の違い
「離婚問題の相談について,弁護士,司法書士,行政書士,どれに相談すれば良いのかよく分からない。」というお悩みの方が多いと思います。
「同じ『士業』」だし,広告を見ても,どれも同じように見えるし,違いがよく分からなくて・・・」という方が大勢いらっしゃいます。
そのような方に向けて,今回は,離婚問題の相談は誰にしたらよいの?という点についてお答えいたします。
まず,弁護士,司法書士,行政書士の3者についての違いを簡単にご説明します。
弁護士は,紛争が起きた場合に,裁判の対応をします。
司法書士は,不動産等の登記を行うことができます。
行政書士は,書類作成の代行を行うことができます。
それでは,離婚でお悩みの方は,このうち誰に相談すべきでしょうか?
「弁護士は,紛争が起きた場合に裁判の対応をするということなら,紛争になっている場合には弁護士に相談することにして,まだ紛争になっていない場合には,弁護士以外の司法書士や行政書士に相談すれば良いんじゃないの?」と思った方がいらっしゃるかも知れません。
しかし,そのような考えは正しくありません。結論から言うと,紛争になっているか否かを問わず,離婚で悩んでいる方は,まず,弁護士に相談してみることをおすすめします。
行政書士は,書類を本人に代わって行うことはできますが,本人の代理人として交渉等を行うことは禁止されています。
そのため,離婚でお悩みの方が行政書士に相談しても,相手方と離婚の条件面で話し合いになったときに,自分の代理人として相手方と交渉してもらうことはできません。
それでは,相談してもあまり意味がないといえます。
また,離婚の過程で生じる問題は,今後の養育費の支払い,お子様の親権をどうする,等々,交渉が必要な問題がほとんどですから,その交渉の経験のない行政書士に相談しても,有益なアドバイスが得られる見込みは高くないでしょう。
また,たとえ現時点では紛争にはなっていないことに見えても,専門家である弁護士からすれば,「そこはしっかりと主張しておかなくてはダメだったのに・・」ということが数多くあります。弁護士に相談しておけば,そのような失敗は避けることができます。
また,司法書士は,登記の手続きの専門家ですが,やはり本人の代理人として交渉等を行うことはできません。
そのため,司法書士に相談してみても,離婚の最終的な解決を見据えたアドバイスを期待することはできません。
それに対して,弁護士の場合はどうでしょう。弁護士は本人の代理人として,相手方との交渉を行うことができます。
相手方との交渉というストレスのかかることを,自分に代わって弁護士にやってもらえるメリットは非常に大きいといえます。
また,そのような交渉のプロフェッショナルである弁護士に相談することではじめて,離婚に伴う様々な悩みについて,落とし所,ツボを押さえた,有益なアドバイスを受けることが可能となるといえます。
また,「弁護士に相談すると,大事になりそうで抵抗がある・・」という方もいらっしゃいます。
しかし,弁護士に相談したからといって,大事になってしまう等ということはありません。
むしろ,交渉のプロである弁護士に相談することによって,スムースかつ早期の解決が可能となるケースが圧倒的に多いといえます。
そして何より,皆さんが一番ご心配されるのは,「そうは言っても,弁護士って高いんじゃないの?」ということだろうと思います。
もっとも,初回相談無料としている法律事務所もありますので,弁護士へのご相談をお気軽にご検討ください。